自社で最もポテンシャルの高い畠のピノ・ノワール(5つのクローン)と、別の自社区画にあるツヴァイゲルトレーベ、シラー、ガメイ他とMBAのワインを加えた、ピノ・ノワール主体のワインです。環境(野生酵母など)への影響を考慮して化学農薬や除草剤は一切使用せずぶどうを栽培しています。栽培困難なピノ・ノワールもさまざまな栽培の工夫を行った結果、2022年より収穫量が増え、ようやくピノ・ノワールを樽単体で仕込めるようになりました。ただし、この年は開花期の天候が安定し、暑い夏を迎え素晴らしい年を予感させましたが、一転9月~10月頭の日照不足が影響し、熟度が十分でないまま収穫期を迎えました。そのため、ピノの持つ華やかな香りこそ健在ですが、線の細いワインになりました。本来ならば記念すべき、ピノ・ノワール単体のワインとしてリリースする予定でしたが、ワインの出口を考慮し、ガメイ、ツヴァイゲルトレーベ、シラーそしてマスカット・ベーリーAを使用した樽をアッサンブラージュしました(ワイン名の「Z」はマスカット・ベーリーAの生みの親、川上善兵衛氏のイニシャルを拝借)。また、2021年ヴィンテージを23カ月樽熟成させたキュヴェ(ピノ・ノワール+上記の赤品種)を最終的に加えました。
このワインは、ピュアでエレガントな酒質を目指すため、ぶどうを全て除梗しています。数日のコールド・マセラシオンを経て自然発酵~プレス後、樽に移動し発酵を継続。自然乳酸発酵を経て、同じ樽で熟成した後にアッサンブラージュし、瓶詰しました(‘21年は23ケ月、`22年は11~12ケ月の樽熟成)。チャーミングで決して強い酒質ではありませんが、全体的に酸が高くメリハリがあり、熟成を経てさらに香り高いワインに昇華する可能性があります。リリースから数カ月~1年は、ピュアで酸が高く固い印象があります。イチゴ、カシス、梅やチェリーの香りが立ち昇りますが、時間の経過とともにすみれやプラムなどの香りが主体で紅茶、ハーブ、ミネラルのニュアンスも感じられます。さらに熟成でピノが支配的になり果実味とともに複雑で官能的な香りを楽しめます。
〇流通を考慮し、瓶詰時にのみ、少量の亜硫酸(15ppm)を添加しております。
〇飲み頃 2026年春以降推奨 (DIAM10コルク 使用)
製品詳細
- 税抜 3,800円(参考価格)
- 内容量:720 ml
- アルコール分:11%
(生産本数920本)